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いや、高速から東京の建築をウォッチングすることを提案するのだから、渋滞したほうがじっくりと観察できるはずだ。 だから、こうも言えるだろう。
建築を見ていれば、渋滞しても楽しい。 以前、私は首都高速バスツアーを企画したことがある。
T本由晴のガイドは、首都高速そのものの建築的な面白さを分析していたが、バスに乗って首都高速をまわり、車窓からいろいろな有名建築を見学するというもの。 この企画をサポートしたJTBの担当者に聞いたのだが、海ほたるツアーはあっても、首都高を走ること自体を目的にしたツアーは存在しないという。

もちろん、わざわざバスに乗らなくたって、クルマでも同じことは楽しめある。 だが、バスならば、もっと視点が高い。
ただし、車高制限のために、最も面白いルートの東京高速道路KK線を通れないという欠点もある。 KK線は短い区間だが、新橋と京橋のあいだで多くの建築を観察できる。
都心環状線から汐留ジャンクションを経由し、KK線に向かう途中、J・NのD本社の真横を通り過ぎる。 空中に浮かぶようなGのファサード。
建物の輪郭は高速道路に沿って、ゆるやかなカーブを描く。

その後、右にK川紀章のC銀カプセルタワー、T下健三のS新聞・S放送東京本社ビルが続く。
しばらくしてT工務店の設計した有楽町マリオンに接近し、右を見るとA原義信のソニービル、その隣にR・PのMゾン・エルメスがある。 今度は左にビックカメラになったM野藤吾の旧そごう百貨店、R・Vの東京国際フォーラムのガラス屋根を支える巨大な背骨のような構造体が見える。
歩くと見上げるしかないダイナミックな構造も、高速を走ると横から観察できる。 速で移動するクルマからの見え方を意識する。
逆方向に走ると、見え方が違う建築もある。 ただし、走行中に写真で撮影するのは難しいだろう。
移動するクルマからの風景は映像的なので、誰かが助手席に座り、ビデオで撮りながら走るとよい。 歩いて、地下鉄を使うと、それなりに時間がかかるコースも、首都高ならば、一瞬のうちに見ることができる。
しかも地上とは違う視点で楽しめるだけではなく、地上ではわからない、違う都市の風景のつながり方を体感できるだろう。 つまり、高速を使えば、東京は小さくなる。

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